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平成16年第1回 定例会・一般質問

2004.03.11
 
     
  ◆25番(桜井義之君) 桜の季節がやってまいりました。今年の開花予想は、少し例年より早いというふうにお聞きをいたしておりますが、どうぞ県議会の桜も、もう一歩早う咲かせていただきますよう明快な御答弁をお願い申し上げ、質問に入らせていただきたいと思います。
  いよいよ野呂県政の本格的なスタートであります。この議会を通じて感性という言葉が大変にぎやかで、実に象徴的でございます。野呂知事の政治理念、手法、時代感覚に大いに期待をしつつ、知事の感性が、いまだその発展途上にあります三重の改革モデルに組み込まれることこそ、そして、地域、県民の輝きにつながることこそ切に願うものであります。
  知事は、政治を変えなくてはいけない。しかし、改革という言葉が政治の目的になってはいけないと述べられています。従来の県政改革が、結果として、地域や県民に根づかない内向き改革に至ってしまったことへの戒めのメッセージであろうと理解をいたします。
  そこで、当時、野呂知事は、地域第一線の松阪市長というお立場で県政と接していただいていたわけで、その貴重な御経験を今まさに県政に生かしていただいておるというふうに拝察をいたします。あのころ、県庁に対してどんな思いをお持ちだったのか、県政に何が欠けているとお感じであったのか、御自身の率直な御意見をお聞かせください。
  また、国の三位一体の地方制度改革、三重県における市町村合併の進展状況が加速している中、分権型社会の自由闊達で誇りある三重をつくるために、地方分権改革をよりしなやかな判断と強力な推進力で進めることが不可欠であります。ただ、この半年のトータルマネジメントシステムの検討過程を見ますと、地方分権改革への求心力が県庁全体にやや欠けているように思えてなりません。ゆえに、知事直属の特命組織、専門組織、通称タスクフォースというような言われ方もいたしますが、そういった特命組織の設置などを提言しておきたいと思います。いずれにせよ、この変革期において県が果たすべき役割、知事のお言葉でお聞かせをください。
  この質問の最後に、歴代知事の田川さん、北川さんがよく好んで使われました、三重が生んだ松尾芭蕉の不易流行という言葉がございますが、野呂知事が考えられる不易流行とは何か、県政として変えてはならぬもの、変えなくてはならないものとは一体何か、お聞かせを願えれば光栄であります。

   〔知事 野呂 昭彦君登壇〕

◎知事(野呂昭彦君) まず、松阪市長時代のときに県政についてどう考えておったかというようなお話でございますけれど、松阪市長の経験というのは、大変私にとりまして貴重な経験であったと、こういうふうに思っております。もっとも、わずか2年9カ月足らずの短い期間でございましたので、市長とは、あるいはその立場から見たものというのは、まだまだ十分でなかったかもしれません。
  平成12年の春に松阪市長になりまして、当時、市政の主人公は市民であるということで市政を眺め回したとき、やはりそれ以前の市政というのは旧態依然という形であると感じました。そこで、市政の運用の在り方について全面的に改めていこうということで、市政全体をトータルにとらえまして、松阪市政マネジメントシステムを構築してきたところでございます。その際に、県では既に北川知事が数々のマネジメントシステムを導入しておりました。それは一つ大変参考になったわけでありますが、先行した分だけ、トータルにはなかなかなっていないなということを感じておったところでございます。
  それから、松阪のような町ではなおのこと財政的な余力はございませんので、コンサルなどを使うということはなかなか難しいわけでございます。そんなことで、市の職員によりますプロジェクトチームをつくりまして、一から職員が勉強して積み上げていったと、こういう経緯がございます。
  それから、平成13年、翌年の秋ごろには、この松阪市政マネジメントシステムも大体形、姿が見えてきたわけでございますけれども、その当時、北川知事から行政経営品質についてお勧めがございました。私も勉強させていただき、これはなかなかすばらしい、本当にいいツールだなと、こういうふうに感じまして、早速これに向けても14年度から取り組みを実施いたしてきたわけでございます。
  私としては、どの市町村においても、今本当に行政のあり方というものについては真剣に取り組んでおると、こういうふうに思います。そういう意味では、行政のあり方が曲がり角に来ているんだということでございます。その観点から見ますと、三重県というのは本当に先進的な取り組みをしてきたなと。そういう意味では、もっと市町村と連携して、そして、市町村との新たな取り組みについても、もっともっと主導的な役割を果たせないかなというような感じを持っておりました。
  北川県政というのは、コラボレーション、NPOやボランティア等との協働というようなことを強調いたしまして、それを進めてきておりました。その割には、行政という立場からいきますと、一番最先端で住民、市民と向かい合っておる市町村との協働ということでは、いま一つ十分でなかったのではないか。そのことは、市長という立場でいろいろ市町村長さんと意見交換をしたときにも、多くそういったことが出ておりましたから、そういう意味で、市町村との意思の疎通なり協働のあり方、こういったことについては課題として残されておったのではないかなと、こういうふうに思います。
  今知事という立場になりまして、いろんな角度から県の行政というのは推進をしていかなければなりませんけれども、新しい時代の公という考え方も打ち出しましたし、また、ガバナンス、共治というような、もう一歩北川県政から進めた考え方で、県民が主役の県政を展開していくという中では、最大のやはりパートナーは市町村でございますから、市町村との関係ということについては重視をしていかなきゃいかん、こう思いまして、早速膝づめミーティングであるとか、市町村との意思の疎通、意見交換等を重視して取り組んできたところでありますし、また、今は、県と市町村との関係づくりというようなことについて協議会を設けまして、議論も始めさせていただいておるところでございます。
  わずかの経験の市長のときの思い、まだいろいろありますけれども、例えばこういったことについて県政の中で生かしていきたいと、こう考えておるところでございます。
  それから、不易流行についてお話がございました。今お話を申し上げました新しい時代の公というような観点で、これからは多様な主体が対等に連携して公も担っていくんだということを提示いたしまして、これからそれに基づいた県政を展開したいと考えておるところでございます。
  北川県政の中では、生活者起点という言葉が特に言われたわけであります。これは非常に大事な考え方であると、こう思っておりますが、それをさらに一歩進め、生活者起点というのは、県庁の職員がいつも目線を県民の目線に置いて、そういう立場からものを考えなきゃならんということでありますが、より明確に、すなわち県政の主権者、県民が県政のまた主役であるんだと、こういう考え方に基づいてこれからの県政をさらに進めていきたいと、こう考えておるわけでございます。
  したがって、それでやっていく施策等につきましては、時代背景、そのときそのときの課題だとか、それについてどういうやり方をとるんだということについても、ツールも、いろんな考え方、やり方があるんではないかなと、こう思います。しかし、一番忘れてはならないものは何なのだといえば、一体県政はだれのために、何のためにやっておるんだ。実は、その一番の基本、これを常に忘れてはならん。私は、そのことをそんなに難しい理屈を言う必要はないのであって、素直にそれは考えればいいんではないか。それを素直に考え、そして、今の時代でありますから、県民もいろんな多様な価値観、いろんな考え方があります。しかし、それをお互いやっぱり認め合いながら、しかし、一体何のために、だれのためにこれをどういうふうにやっていくんだということを考えていくということ、そのことが私は感性を磨く県政ではないかな、そういうものを積み上げていけば、やはり三重県人がほかの外の人たちに対してもちょっぴり誇れるような、そういう文化圏というものができるのではないか。そういったことを考えております。
  そういうことも不易流行に通じる部分があるのかなと、こういうふうに思っております。

   〔25番 桜井 義之君登壇〕

◆25番(桜井義之君) ありがとうございました。今日までの知事の御経験、この1年本当に激動の1年であったんだろうという中で、今お話もいただきました、随所にいろんな形で踏み込んできていただいておるのが伝わってくるところでございます。
  特に、先般もお話がありました、例えば生活排水の事業のフレームを大胆に変えようと。大胆に変えることで今の市町村との連携強化、そして、今、だれのためにとおっしゃられましたが、地域、県民のためにいい形で政策判断をされた。非常にすばらしい取り組みをやってきていただいておるんだろうというふうに思っております。
  その意味で、どうぞ、今もお話がございました、県庁吉田山内外では、例えばスピードかスローか、あるいはトップダウンかボトムアップかと、こういう、極端から極端の検証というか議論がにぎやかでございますけれども、今本当に知事がおっしゃっていただいた、双方の手法や双方の考え方が本当に組み込まれて、三重の改革といいますか、さらに前進をいただきますよう、本当に御期待をしたいというふうに思いますし、三重のくにづくり宣言からしあわせプランへと三重県の骨子となります総合計画が移行するという時期でございます。従来の三重のくにづくり宣言の中に入っておるエッセンス、この総合計画はここで廃止という形になっておりますが、本当に地方分権の大きなうねりの中でございます。先ほども申し上げましたように、少し求心力が、どうだろう、地方分権の改革に対する求心力が三重県、県庁全体としてどうだろうかと思いますときに、先ほど少し御提言も申し上げましたけれども、ぜひとも果敢な挑戦をいただいて、磨きをかけていただいて、前へ進めていただきたいな、そんなことを要望しておきたいというふうに思います。
  それでは次に移ります。三重県庁の未来への感性を問うと題して、四つの視点から質問をいたします。
  最終日のラストに近いので、多分オール県庁の感性が磨かれていないと受けとめられない項目かもしれません。しかし、もう一枚県政の皮がむけるために外せないものだと確信をいたしておりますので、ぜひ感性あふれる答弁をいただきたいなというふうに思います。
  今日までの県庁改革に、マトリックス予算、総合行政というのを徹底的に推進した時期がございました。そんな言葉は負の遺産登録だと言われる方も見えるかもしれません。しかし、その心は、県民や地域の多様化するニーズや課題には、もはや縦割りの政策、予算、組織ではこたえることに限界があり、それらを部局横断的なものに変革しなくてはだめだということの認識のあらわれでありました。
  また、予算、財政の統制機能の縮小による各部への権限移譲、組織のフラット化の弊害もこれあり、その結果、全体を束ねる力、つまり、総合的な政策調整機能や推進力、部局間、県民局などのコミュニケーションが極めて低下、不足しているのではないかと思われますが、いかがでしょうか。どこのだれがその機能を担っているのか、全く見えてまいりません。
  やはり、大切なのは、部局の縦割りを超え、県民局をも含む全庁的な政策や事業調整、また、実務レベルでの日常的な目配り、気配り、コミュニケーション、実践力など、縦横斜めはすかいの総合行政の質をいかに高められるか、最大にして明快な課題だと考えますが、御所見をお聞かせください。
  また、事業を横断的に実施するため設置されている推進本部などが部局に36組織ございます。そのうち、昨年度1年間、これは知事御就任の前の年度でございますが、例えば、生活排水対策推進協議会、木曽岬干拓土地利用会議など、全く会議が開催されていないのが12組織、総合行政が十分機能していないと思われるのが大半であります。既にその開催状況等と課題について、予算決算委員会や定期監査での指摘がなされております。この機会に、それぞれの存在意義や中身を検証し、組織の改廃を含んだ見直しを求めますが、いかがでしょうか。
  二つ目は森林環境の視点からであります。
  偶然ですが、午前中、竹上先生の頑張れ木材、COC認証の質問がございました。ここはひとつ連携協働の精神で、FSC森林認証並びに今後の森林環境政策についてお尋ねをいたします。
  4年前、2000年に、海山町の速水林業さんが、国内で初めて、その感性と先見性でFSC森林認証を自力で取得されました。この国際的な森林認証制度FSCは、環境配慮はもちろんのこと、経済面、社会面での高い水準を求めるがゆえに、認証取得は容易ではありません。しかし、その持続可能な森林経営が行われているという評価が、競争力やブランド力を持つことにつながることで期待をされています。その後、県内でも、大宮の吉田さん、宮川の森林組合さん、尾鷲市さんなど5者、1万2000へクタールの認証取得がなされております。この3月にも六つ目の認証がなされるというのをお聞きいたしております。
  認証の困難さと直接的な利益の即効性が薄いというような指摘もございますが、環境保全をキーワードとした持続可能な森林経営という時代や世界の潮流は新たな局面にあることを考えると、本県の森林林業再生に向けた可能性の一つとして、FSC森林認証制度の積極的な取得支援、さらには認証材の普及に効果的な政策や事業を強化するべきであろうかと思います。新年度での展開をまずはお示しいただきたいと思います。
  また、昨年、森林環境創造事業での不適正受給の問題の折、これを調べてみますと、何と森林組合さんなどに対して環境部、農林水産商工部、地域振興部、それから生活部、四つの部から50ぐらいの補助等が一定交付されておるわけであります。森林環境政策の一元化とはほど遠いかな、あるいは先ほどの総合行政というのがむなしく聞こえるかな、そんな思い、まさに縦割りを感じておりますが、これは一層の工夫を要望しておきたいなというふうに思っています。
  次に、国際戦略の視点と通告をいたしました。少し国際というと大層ですので、海外戦略ぐらいに訂正をさせていただきたいと思っておりますが、その一つは、海外事務所の戦略性についてであります。
  本県が、国外で唯一設置をしておりましたシンガポール事務所を本年度末をもって閉鎖、昨年夏、百五銀行さんがアジアの主力拠点をシンガポールから上海へと移されました。8年前のシンガポール事務所の設置経緯を知る者として、この閉鎖は、遅まきながら賢明な御判断だと思います。ただ、この8年間の有形無形の評価はいかがだったのでしょうか。費用対効果だけの話なんでしょうか。
  一方で、地方レベル、都道府県レベルでの対外的な国際政策の必要性は、以前にも増して重要であります。重点プログラム・絆の中には、主担当部局を生活部とする、国際貢献、外国人との共生と盛り込まれておりますものの、産業面、観光面、文化面など、これまた総合行政としての厚みがなく、戦略的な意思を感じられません。例えば、新年度以降、躍進著しい中国などへの海外事務所設置の意思はあるのかないのか。農林水産商工部長のベストバリューの回答をお願いいたしたいと思います。
  その二つ目は、特定重要港湾、四日市港の戦略性についてであります。
  平成14年の四日市港管理組合議会第4回定例会において、橋川先生の質問に対する当時の管理者、北川前知事の答弁は、国内外の競争に打ち勝つべく、港の目指すべきビジョンと管理形態、運営などを抜本的に整理するとの中身で、大きな衝撃だったことを記憶いたしています。
  その後、四日市港のあり方検討委員会による検討がなされており、ちょうどあした、最終報告がなされると、こう聞き及んでおります。その内容は今後に回したいと思いますが、本県からは吉田副知事が検討会の委員として参画をいただいてきておったと思いますが、現時点での本県の四日市港の戦略的位置づけについて、副知事のその経過を踏まえたお考えの一端をお聞かせください。
  最後に、地域再生の視点からであります。
  昨年12月のいなべ市誕生以後、本会議にも志摩市への合併関連議案が上程をされておりますが、合併特例法の期限、17年3月に向け、市町村再編の第2幕が始まっております。先ごろ示されました県民局の再編とあわせ、この新年度は、三重の新しい形を探る1年ではないでしょうか。言うまでもなく、北は桑員、南は紀南まで、それぞれの地域ニーズに合った地域政策がなければ、魅力あふれる地域や生活の質を高めることは到底できません。地域政策のためには、先ほどもお話のとおり、市町村と強く協働した地域政策を持つことが不可欠であり、地域再生のキーワードは、まさに、知事御提唱のスローという言葉の深い意味の中にあると私は考えます。
  時間の関係で多くを触れられませんが、例えば、EUにおける持続可能な都市戦略やその政策フレームなどは、スローなエッセンスが詰まっております。大いに取り入れるに値するものと考えます。既に欧州構造基金や持続可能な地域政策について海外調査研究が行われているとも聞いており、先ほども本当にお話がございましたが、ぜひそれらの成果、その成果を本県の政策、協働の仕組みへと新たに組み込まれることを強く望みます。
  さて、新しい形への1年という意味からも、市町村再編という切り口以外に、地域政策の強化拡充をいま一度訴えたいと思います。そこで、市町村に対して、地域のニーズに合った地域再生のための包括的な地域再生補助金や交付金制度の創設を提言いたしますが、地域振興部長の御所見をお聞かせください。
  さらに重要なのは、今もお話がございました、新しい公、あらゆる主体による地域づくりでなくてはなりません。この議会を通じて、新しい公の考え方は少し理解が深まったと考えます。とはいえ、いかに実践を積み重ねるかが大切ではないでしょうか。今日までの本県の協働は、官と民のパートナーシップという考え方にウエートが置かれております。しかし、現実の社会は、県庁が考える以上に重層的であり、その多くを民民の営みに頼っています。
  そこで、例えば、民間企業とボランティア、自治会などの住民団体とNPO、あるいは事業所と事業所など、地域再生を目的とした民と民のパートナーシップに限定し、予算を投入するという事業、仕組みへと発想の転換も有効と思われますが、前向きな意思があれば、お答えください。
  以上、よろしくお願いをいたします。

   〔知事 野呂 昭彦君登壇〕

◎知事(野呂昭彦君) 私の方からは、1点、最後にお話がございました、新しい公という概念に基づいての民民の協働も必要であるが、それに対しての考え方ということでございます。
  新しい時代の公の考え方につきましては、るる申し上げてきておるところでございますが、まさに地域の課題を解決したり、地域のニーズにこたえる中で、そういう中で、地域が発展していくんだ、それを多様な主体が担っていくんだということで、非常に大事だというふうに認識をしておるわけでございます。
  それで、現実にはいろんな取り組みがあるのかなと、こう思っております。例えば、今現在でも、中心市街地の活性化の場合には、商店街の店主の方たちが大学生などに呼びかけました空き店舗でのイベントとか、主婦の方たちにフリーマーケットを開いてもらうといったような取り組み、それがきっかけとなって商店街の新たな顧客開発につながったり、新しい取り組みが始まるというような例もあります。あるいは地域通貨というような形で取り組んでおるのも一つのそういうあり方なのかなというふうにも思います。
  このように、県民同士、NPO団体等、あるいは企業と企業という場合もあるでしょうが、いろんなそういった組み合わせの中で地域の活性化のために協働していく姿、それはやはり県民、市民にとって大事な部分を担っていくんだ、新しい時代の公のあり方の一つではないかなと、こういうふうに思います。
  県としては、そういうふうな中で、これからいろいろとこの新しい公についても検討してまいりますので、その中での役割分担であるとか、必要なルールのあり方だとか、そういうふうなことを検討する中で、今おっしゃいましたような、私ども行政として民民協働に対してのいろんな支援のあり方というようなことも考えさせていただきたいと、こう思っております。

   〔副知事 吉田 哲君登壇〕

◎副知事(吉田哲君) 四日市港の現状認識と海外戦略から見た目指すべき姿について、四日市港のあり方検討委員会の議論を踏まえましてお答え申し上げます。
  国際港湾としての四日市港のあり方といたしましては、近年、アジア諸港が、高規格、大水深のコンテナターミナルを整備し、低コストで迅速なサービスを提供することにより、コンテナ貨物の取り扱いを大きく伸ばしましたのに対しまして、我が国の国際港湾は、アジア諸港と比較をいたしますと、相対的にその地位を年々低下しているというような状況にございます。
  このような現状認識のもとで、国際港湾としての四日市港の目指すべき姿でございますけれども、四日市港背後の石油化学工業、電子機械工業や自動車工業など、世界有数の産業に最適のロジスティックネットワークのかなめとしての機能を提供いたしますとともに、さらに、これまでの四日市や、あるいは三重県の港としての区域を超えまして、中部に広がる四日市港利用優位圏の物づくり産業等の広域的な物流拠点としての四日市港という観点から施策を実施することが不可欠であると考えております。
  これに対応するための具体的方策といたしましては、国際コンテナ貨物の輸送コストの低減、港湾施設の機能強化及びサービスの向上、港湾諸手続の簡素化、物流情報などのIT化の推進、そして、四日市港への道路アクセスの充実強化を図ることなどが必要であると議論をされております。
  さらに、現在、名古屋港とともに、中部地域の物づくり産業の国際競争力を支援するというような観点から、我が国の国際海上コンテナ輸送におけるモデル港湾としてのスーパー中枢港湾の指定に向けた取り組みが進められているところであります。
  今後は、両港が、伊勢湾における港湾全体のサービス水準や品質を高め、背後地産業及び両港の国際競争力の向上に向けて緊密な連携を図る必要があると議論をされております。
  この委員会では、明日開催される委員会におきまして最終報告が取りまとめられる予定でありますが、本県といたしましては、この報告の趣旨を踏まえながら、四日市港の機能強化、拡充などを支援する必要があると考えております。

   〔総合企画局長 飯塚 厚君登壇〕

◎総合企画局長(飯塚厚君) それでは、私から2点お答えを申し上げます。
  まず第1点目は、総合調整機能についてのお尋ねでございます。効率的で質の高い行政サービスを提供するためには、部局を超えた総合的な取り組みが必要でございますが、現実には、各部局ともそれぞれの利害にとらわれてしまうという場合もございますし、連携して取り組むことはなかなか難しいという面があるというのが正直なところでございます。
  このような問題を克服し、部局横断的な取り組みを進めるためには、施策や重点プログラムの主担当部局が中心となって、主体的に関係部局との連携強化に取り組むことが基本であり、大切なことだというふうに考えております。
  また、県庁内で特に部局横断的な機能、役割を担っております、私が担当しております総合企画局ですとか、あるいは総務局といった部局が、先ほど申し上げましたような主担当部局の横断的な取り組みを全庁的な観点からサポートするとともに、特に重要な全庁的な課題につきましては積極的な役割を果たすことが大事であるというふうに考えております。
  こうした部局横断的な取り組みを仕組みの面から担保するために、今回の三重行政経営体系の中で、知事と部局長による対話や庁内の戦略会議の議論などにより、重点プログラムや施策などの取り組み方針を定期的に確認したり、リーダーシップ研修などにより部局長間のコミュニケーションを深めるなどの仕組みを取り入れていくこととしております。
  こうした取り組みによって、今後、実効性のある総合的な行政が進められるよう、私としても努力をしていきたいというふうに考えております。
  それから、2点目は、EUの構造基金についてお触れになりましたので、この点についても答弁をさせていただきます。
  EU、すなわち欧州連合では、域内の地域間格差是正を目的として、包括型補助金である構造基金という制度を持っております。総合企画局の政策開発研修センターにおきましては、この基金を活用して各国が行っている地域政策につきまして、三重県への応用可能性を探ることを目的として、昨年、EU本部あるいはフランス、ドイツなどを調査いたしました。
  調査では、構造基金という仕組みを活用して、EUあるいは加盟国、域内の各地域、民間、NPOなどがお互いにパートナーシップを組み、それぞれの事情に応じた独自の地域づくりを進めているということが明らかになりました。これらは、今後三重県が目指す新しい時代の公にも通じるものであり、県としての政策を立案する上で多くのヒントを含んでいるというふうに思います。
  調査を通じて得られたアイデアにつきましては、「地域政策─あすの三重」という雑誌に順次掲載して、広く県内外に情報発信するとともに、庁内研究会の開催などを通じて情報共有を図っていきたいと考えております。
  また、各部局への働きかけを通じて、調査結果が県内の地域づくりに生かされるように努めていきたいというふうに考えております。
  以上でございます。

   〔総務局長 山本 勝治君登壇〕

◎総務局長(山本勝治君) 庁内に設置しておる推進本部等の形骸化などにどう今後対応していくかという御質問にお答えをいたします。
  今回の監査の御指摘を受け、総務局を総括窓口として、現在、各部局の対応方針を取りまとめているところでございます。
  今後、総務局において、これらの内容を精査し、活動実体のない推進本部等についての見直しを進めるなど、総合行政の視点から調整機能を発揮し、簡素で効率的な行政運営に努めてまいりたいと考えております。

   〔環境部長 長谷川 寛君登壇〕

◎環境部長(長谷川寛君) それでは、森林環境の視点の林業振興を図る上での有効なツールであるFSCについて御答弁を申し上げます。
  FSC認証は、自然環境や生活環境等に配慮した、持続可能な森林管理がなされている森林を認証する制度でございまして、森林経営管理者から木材製品等の消費者に至る様々な関係者を一体化することを目的とした国際的な取り組みでございます。
  認証森林から産出された木材と木材製品は、FSCのロゴマークをつけることにより、消費者からの直接取引の増加や一般の木材よりも高価な取引、森林所有者と生産流通関係者との連携が図られるなど、森林経営をサポートし、林業、木材産業の活性化を図る有効なツールとなっているところでございます。
  御所見にもございましたが、平成12年には、日本で初めて本県海山町の速水林業が認証取得されました。これを契機に、持続的な森林経営により環境に配慮した森林が創出されるよう、三重県では、平成13年度から認証取得にかかる経費の2分の1を支援し、現在、宮川森林組合ほか3事業体が認証取得に至りました。この結果、現在5事業体が取得しておりまして、日本一の取得件数を誇る県となっているところでございます。
  今後の方針の中で、特に来年度事業の取り組みの件でございますが、新たな取り組みといたしまして、FSC認証取得には森林管理計画の樹立が必要であるため、一定規模以上の森林所有者では独自の取り組みが可能でありますが、三重県に多い小規模な森林所有者には独自の取り組みが経済面で無理であることから、平成16年度には、認証エリアの集団化などの検討を進めてまいりたいと考えております。
  二つ目には、FSCの精神に沿った国内版となっておりますSGEC「緑の循環」認証会議による新たな認証制度が平成15年6月に創設されております。この認証制度には、全国で今2事業体が取得されておりますので、この認証制度による効果を検証する中、小規模事業者への導入の検討も進めてまいりたいと考えております。
  いずれにいたしましても、木材資源の循環利用促進と持続可能な森林経営を三重県の林業の中に取り入れ、林業県三重の復活を図るためのFSC認証制度の普及について今後とも積極的に取り組んでまいります。
  あわせてCOCも、林業部門の一元化のもとには、FSC、COC、あわせて二つのものを積極的に取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

   〔農林水産商工部長 石垣 英一君登壇〕

◎農林水産商工部長(石垣英一君) シンガポール事務所についてお答えをします。なぜ廃止したのか、今後海外戦略はどう考えるかということでございます。
  シンガポール事務所は、90年代の前半に、シンガポール、マレーシアを含めた東南アジアへの海外展開を図る県内企業が増加したということを受けまして、こうした企業を支援するということから、96年、平成8年に開設をいたしました。
  しかし、近年は、企業の進出先が中国へシフトしてきたということに加えまして、開設時から比べると、多分これが一番進んだと思うんですが、インターネットが大きく普及しました。それによりまして、だれでも情報の入手が容易になる中で、企業が県に求める支援の内容が非常に高度で、かつ専門性の高いものとなってきました。
  こうした中で、県内企業のニーズに的確に対応するためには、ジェトロなど専門機関と協働することによりまして、そのすぐれた知見とネットワークを生かすべきだという結論に至り、シンガポール事務所については廃止をすることにいたしました。
  海外戦略の重要性につきましては、議員の御指摘のとおり、大変重要なことであります。まさしく産業面においてグローバル化が進むという中で、相当大きな重要性が増してくると考えております。しかしながら、例えば今中国に事務所を設置しようとするというのであれば、相当なるスタッフを長期間にわたって赴任させ、ノウハウや知見を蓄積させるなどの措置が大変必要になります。
  こうしたことから、現時点では、海外事務所を置くよりも、必要に応じて海外出張を含めて機動的に対応することが効果的ではないかと考えています。
  いずれにせよ、県としましては、県内企業の海外進出あるいは外国企業の県内誘致といった分野ごとに適切な政策を推進してまいるとともに、例えば中国など重点地域を慎重に見きわめつつ、戦略的に取り組んでまいりたいと考えております。
  以上です。

   〔地域振興部長 井ノ口 輔胖君登壇〕

◎地域振興部長(井ノ口輔胖君) それでは、地域再生の視点の中で、地域再生のために市町村が自主自立的に取り組める包括的な補助金の制度についてお答えをいたします。
  分権時代の地域ニーズに合った地域の再生を実現するためには、住民に近い市町村が、地域の特性を踏まえつつ、主体的かつ計画的な取り組みを住民など地域と一体となって、地域再生のための取り組みを行うことが重要であると考えております。
  そのためには、従来の県と市町村との関係を見直すことで市町村の裁量の幅を広げるとともに、市町村が住民やNPOなどと協働して、地域のあり方を自ら決定し、実行できる仕組みをつくっていくことが重要であると考えております。
  そこで、分権時代の県と市町村のあり方を検討するため、去る2月18日、県と市町村の新しい関係づくり協議会を設置したところでございます。その中で、市町村から総合補助金化の要望が多かった福祉の分野や産業振興の分野などの県単独の補助金を見直すための検討部会を設置することといたしております。今後、この検討部会で市町村と十分に議論を尽くしまして、地域の再生に向かって、市町村の内発力向上につながるような包括的な補助金についても検討してまいりたいと考えております。
  以上でございます。

   〔25番 桜井 義之君登壇〕

◆25番(桜井義之君) 大分多岐にわたっておりますので総合デパートのようになってまいりましたが、幾つか再質問させていただきたいと思います。
  まず、FSC、これはCOCもそうなんですが、非常に期待がかかっておるんだろうと。しっかりやっていくという御答弁でございました。聞くところによると、その2割ぐらい木材価格がいい単価で流通できるというのが現実起こっておるというふうに聞いております。そういう意味では、今の流通過程でのいろんなものも含めてぜひ拡大をしていっていただく、新年度、これは期待をいたしたいと思っております。
  それともう1点、既に森林環境を保全していこう、その中で新しい税制をつくっていこうという、こういう考え方も検討を進めてきていただいておるんだろうと思うんです。高知県あるいは神奈川県、あるいは、四、五日前に長野県が新しい新税を導入されるということでございましたけれども、三重県として、そういう森林環境税的な、これを導入していこう、そうしようというような意思は、現時点でおありか、ないのか、そこのところだけ聞かせてください。

◎環境部長(長谷川寛君) 高知県の森林環境税に当たる税といたしまして、三重県では、仮称水源税ということで、法定外目的税といたしまして検討いたしました経緯がございます。そのときに、一部の県外の水源を利用するため、受益負担の関係を特定することが非常に難しいなというようなところで、正直申し上げてとまっております。
  ただ、16年度以降、先ほどの3県のほかに、岡山、鳥取、愛媛、香川、鹿児島という6県におきまして、森づくり県民税とか森林環境保全税というような形での取り組みを検討しておるところでございますので、当然このような先進県の制度の内容や動向を注視しながら、本県独自の、県民参加による森林保全のための法定外目的税をこれから検討していきたいというふうに思っております。

   〔25番 桜井 義之君登壇〕

◆25番(桜井義之君) これから検討されるということでございますが、新しい提案として、ぜひ日の目を見るような分厚い議論をしていただきたいな、こう要望しておきたいと思います。
  海外事務所等々の設置等々も、もう時間がありませんので多くを申し上げませんが、やっぱり観光誘致するとか、あるいは本県の文化を発信するとか、多面的な要素がこれは多分非常にあるんだろうと思います。企業の支援、これも非常に大きいだろうと思いますときに、やっぱりお隣の愛知県、岐阜県、岐阜県なんか12カ所ぐらい海外に事務所を持って、いろんな発信をしておられますね。こういうのも一つの参考にしていただけたら。あるいは東北3県が、戦略的な意図を持って、共同で海外事務所を設置すると、こういうケースもありますので、道州制なんかを視野に入れてということをお聞きしておりますが、三重県としての戦略性や厚みを持った検討をぜひ加えていっていただくことを新年度要望したいと思っております。
  時間がございませんので、最後の質問に移らせていただきます。
  議会と行政のかかわり方についてお尋ねをしたいと思います。特にここ四、五年の間、県議会と行政の関係は、課題はありますものの、進展は現在進行形で進んできておるんだろうというふうに思っています。私にとりましては、新しい知事をお迎えして、そして最初となる一般質問でございますので、やはり最後の項をこれにさせていただきました。
  誤解を恐れず申し上げますと、行政とのなれ合い、あるいは中央の政党や国への呪縛で思考停止状態が長く続いたことが、本来住民に一番近い地方議会を魅力なきものにしてきたのではなかったか、そんな思いをしております。民主主義の最たる地方自治を育てることができなかった大罪の多くは、自らも含めて地方議会自身にあったのではなかろうかと、そういう思いも考えてまいりました。
  三重県会は幾つかのステップを経て今日に至っておりますが、二元代表制という言葉を日常的に使うだけでなく、こんな関係を持つ都道府県議会はほかにはないと、先ごろの千葉大学の大森先生の弁に、感慨深く決意を新たにするものであります。
  1年前のこの議会で、各会派代表による検討作業を経て成立いたしました補助金のあり方に関する条例により、本年度、定例議会ごとに1000万以上の補助金交付の実績資料を報告いただいております。義務的経費を除く本県歳出の3割以上を占める1300億を超える補助金の詳細が、昨年度まで知事の裁量権の聖域として不透明であったことを思いますと、県民への透明性が高まり、議会のチェックが機能する、画期的で新鮮な1年でございました。
  そこで、議会と行政の緊張感も含め、この1年、内部で何がどう変わったのか、総務局長の率直な御所見を聞かせてほしいと思います。
  また、補助金に関連をして、1月の財政問題検討会の報告書に大胆な見直し案が盛り込まれております。議会との適切な議論が必要と考えておりますが、今後の進め方についてもお知らせを願いたいと思います。

   〔総務局長 山本 勝治君登壇〕

◎総務局長(山本勝治君) 三重県における補助金等の基本的なあり方等に関する条例が昨年第1回定例会で議決をされ、平成15年4月1日に施行されて以来、ほぼ1年が経過をいたしました。その間に、一定額以上の補助金で新たに交付が見込まれるものや交付決定を行ったものなどについて、各常任委員会などで補助金の公益性等について御審議をいただいているところでございます。
  補助金は、申すまでもなく、県の各種行政目的を達成するために交付するもので、その執行に当たっては、公正かつ透明性の高い効率的な運用が求められております。今回の補助金条例を契機に、多くの補助事業について、その公益性についての議論や透明性の確保が図られ、県民への説明責任がより明確に果たされていると考えております。
  次に、財政問題検討会の中での県単補助金の見直しのことについて御答弁をさせていただきます。
  県が市町村や各種団体等に交付している補助金は、県行政の大きな部分を占めておりますが、社会経済情勢の変化に的確に対応し、効率的かつ効果的な行政運営を行うためには、補助事業についても適宜見直しを行っていく必要があります。一方で、補助金の見直しは、市町村や県民生活に影響を与えることから、その内容を十分に説明していくことが重要であり、県民の代表である県議会に適宜その検討状況をお示ししたいと考えております。
  今回の財政問題検討会における県単補助金の見直しについても、中間報告や最終報告を議会や市町村、県政懇談会などで説明をしてきたところでございます。
  今後とも、議会と執行部との情報共有が図られ、十分な議論を通じて、両者がそれぞれの役割を的確に果たすことが重要であると考えております。
  以上でございます。

   〔25番 桜井 義之君登壇〕

◆25番(桜井義之君) ありがとうございました。ぜひとも緊張感ある関係、これも磨きをかけながら次へつなげていきたいなというふうに思っておりますので、野呂知事にはよろしくお願いを申し上げたいと思います。
  今日、幾つかの観点から申し上げました。先ほども、総務局長の補助金の問題、あるいは県民局のあり方の問題、あるいは総合企画局長からも総合行政の問題、幾つか、環境の問題あるいは海外戦略の問題、地域再生の問題、やっぱり、つまるところ、しっかりやっていくということでございましたが、なかなかこれが現実難しい。それも、日常的にいかに縦横斜めはすかいでその質を高めるか、非常に難しいことであります。横断的に危機管理局が新年度入ってくるわけでありますが、これもまた、やっぱり総合行政の極致みたいな部分を背負っていただくわけでございますので、どうぞ総点検をもう一回いただいて、そして、磨いていただいて、新年度、本格的な野呂県政のスタート、多くの県民の皆さん、地域の皆さんは期待をいたしておると思うので、本当にそこの総点検を新年度にしっかりやっていただくことをお願い申し上げ、ちょうど時間となりましたので、質問を終わらせていただきます。
  ありがとうございました。(拍手)

 
 
 
   
 
     
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